2018年の城めぐり納めに訪問しました。
お城の概要
写真のこんもりした小山の部分が城跡です。
忠海港の西にある、海に突き出た岩山に、小早川隆景家臣の乃美(のみ)宗勝(別名:浦宗勝)によって築かれた城です。築城年代は不明ですが、近くにある床浦(とこうら)神社の案内板によると、「神社をもともとあった岩山から浜辺に移す→岩山に築城」の流れがあったようなので、神社の棟札にある永禄年間の前後ではないでしょうか。標高6メートル程度で、規模も大きくないので、さっと見るだけなら15分程度です。
見どころ
標高は低めですが、海側は切り立った崖になっています。海側から攻撃するのは難しそうに見えました。後で調べてから知ったのですが、崖下に少し見えている洞窟は、かつて船隠しだったそうです。杭を打っていた穴などが、今でも残っているとか。行ったときに知っていれば近くまでいったのですが、ちょっと悔やまれます。
遺構は残念ながらほとんど残っていません。第二次世界大戦の忠魂碑のある山頂の広場部分が主郭だったようです。
結構広い。それなりの人数が詰められそうですね。お城の碑もありました。
「浦宗勝公を追想し~」までは読めるんですが、その先が読めません…。草書体の読解能力が欲しいです。
遺構はほとんど残っていないものの、登ってみるとこの城の狙いは見張りにあったのだろうな、ということが伺えました。近隣の海がばっちり見渡せましたので。見晴らしがよいということは、狼煙をあげる場所としてもよいところですね。
写真で遠くに見えている橋は、おそらくしまなみ海道の多々羅大橋と思われます。訪れた日はお天気も良く波も穏やかだったので、良い景色が楽しめました。
すぐそばにある砂浜も、小さな船を乗り付けて上陸したり、逆にすぐに海に漕ぎ出したりするにはよさそうです。周りが見渡しやすくて、すぐ海に出やすい砂浜があるあたり、水軍の城としていい立地ですね。お城の東隣は今でも現役で港だったりするので、戦国時代の大き目の船も停泊できたのではないでしょうか。
砂浜の中央辺りに写っているのが、お城の概要でちらりと出てきた床浦神社です。
海に向かって立つ鳥居がかっこいい。海の神社らしくていいですね。
小さな神社ですが、説明版によると四国からも信仰を集めた神社だそうです。
今はあまり整備されてなさそうなのがちょっと寂しいですね。数年前に本屋大賞を受賞した『村上海賊の娘』の人気で、しまなみ海道の村上海賊関係スポットは色々整備されているようなので、こちらも整備してもらえると個人的には嬉しいです。『村上海賊の娘』には乃美宗勝も登場します。
- 作者: 和田竜
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