「数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話」は、学生時代に数学をパターン暗記で乗り切ってしまった人にお勧め

昨年参加したソフトウェアテストの合宿形式の勉強会・WACATEのお楽しみ抽選的なイベントで『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』をいただきました。

色々とぐさりと来るところがあったので、ちょっと感想などを書いてみます。なお、数学ガールはシリーズものですが、私はこれ一冊しかまだ読んだことがありません。

この本をお勧めしたい人

数学が苦手で、パターン暗記で乗り切った人にお勧めします。私はほぼパターン暗記で学校の数学を乗り切ったタイプです。

なぜお勧めできるか

私は数学が苦手です。苦手な理由は、恐らくですが中学・高校時代に数学を理解せずにパターン暗記で対処していたからではないか、とこの本を読んで思いました。

本の中で何度か主人公で数学の得意な「僕」は、数学を教わりに来てる「ノナちゃん」から「暗記しますか?」と聞かれます。暗記ではなく理解するよう主人公は諭すのですが、まさに暗記してたのが昔の私です。たぶん今もその傾向は続いていると思います。

パターン暗記の問題点

自分の場合ですが、パターン暗記のやっかいなところは、パターン暗記で教科書の理解確認問題や中間テストは対処できるので、理解できてないことに気づきにくい点でした。そして、単に覚えているだけなので、当然忘れていきます。

範囲の広い実力テストなどになると、中間テストに比べると正答率が劣るので、うっすら「実は分かってないかも?」と疑います。その時に理解するよう動けばよかったんだと思いますが、今思うと、自分の対処は「暗記するパターンを増やす」と「反復練習して記憶から抜ける量を減らす」でした。受験対策としては間違ってないんですが、理解が進んだかといえば、ちょっと怪しいです。

この本のお勧めなところ

この本では、言及されている数学の範囲は、一次関数とグラフのみです。それだけなので、パターン暗記で覚えてしまおうとするとすぐ済む内容なんですが、暗記ではなく理解を促すように話が進みます。ちょうどパターン暗記してしまいそうになるあたりで、ノナちゃんが「暗記しますか?」と聞いてくれます。自分も暗記に走りそうになっていたことに気付けるので、ノナちゃんと一緒に意味を考えながら読めるようになっています。

数学をパターン暗記で乗り切った人が、意味を理解するってなんだろうと思いながら読むと、ちょうど良い本だと思います。