「ASTERセミナー標準テキスト」読み合わせと「ソフトウェアテスト勉強会「やってみよう!探索的テスト~ハイクオリティな妄想の高速ループ~」」参加レポート

先日ASTERから公開された「ASTERセミナー標準テキスト」の有志による読み合わせと、「ソフトウェアテスト勉強会「やってみよう!探索的テスト~ハイクオリティな妄想の高速ループ~」」に参加してきたので、その感想レポートです。

ASTERセミナー標準テキスト読み合わせ

「ASTERセミナー標準テキスト」は、こちらからダウンロードできます
http://www.aster.or.jp/business/seminar_text.html

発端

ASTERの資料が公開されたので気になっている、とTwitterで呟いたら、有志による読み合わせ会が発足しました。テストクラスタありがたすぎる。
というわけで、三連休の初っ端からファミレスに集まり、セミナー標準テキストの読み合わせが行われました。今回は初回ということもあり、対象は1章+αくらいで進めました。

やり方

やり方は、時間を決めて各自読み込む、気になったところをそれぞれコメントしあう、という形でやってみました。エクストリームリーディングというそうです。
当日集まったメンバが、組み込み、第三者検証、開発、自社サービスと四社四様だったので、それぞれの立場からの見方があって興味深かったです。

読み合わせで気になったところ

詳しい話は割愛しますが、面白かったのは、ほぼ全員がP18の「テストの目的の拡大(機能充足→目的達成→価値提供)」を気にしていた点です。
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※画像は、「ASTERセミナー標準テキスト」p18のスライドを引用させていただいています。

P18が気になってるのは、私の場合、次のような理由からです。

  • 拡大円の一番外側「ソフトウェア・システムが他の要素と連携し、ライフスタイルやビジネススタイルを変革しているか把握する」まで行きたいけど、どうすれば行けるんだ?
  • 外側から2番目「ソフトウェア・システムが目的を達成し、顧客(利用者)が満足しているかを把握すること」これは、最近気にしていることなので目下の課題。永遠の課題ではあるけど、今個人的には一番力を入れてるところ
  • 外側から3番目「非機能要求を含めてソフトウェアの品質情報を収集し、品質リスクを軽減する・より品質を高めること」については、最近、非機能って何だろう?と少しモヤモヤしているところ。
    • 性能とかセキュリティについては、ほぼほぼ機能では?
    • とはいえ、機能単体だけ見てると漏れる部分ではあるので、別出しになっているのは分かる気はする。
    • 『非機能』という訳語の問題?
  • この図、非常にいい図だと思うので印刷して会社にひそかに貼っておきたいw

あとは気になったページというか、耳が痛いページはP36の「テストの独立性と開発との関係」です。

  • 「対決ではなく、協調姿勢で開始する。全員のゴールは、高品質のシステムであること再認識するとよい。」この通りなのですが、守れていないことも多いので自戒。。

ソフトウェアテスト勉強会「やってみよう!探索的テスト~ハイクオリティな妄想の高速ループ~」

TEF道の中岫さんと根本さんが、JaSST'18 Tokyoで行われたセッションの再演をしてくださったものです。

探索的テストとは

資料はこちらから
http://jasst.jp/symposium/jasst18tokyo/pdf/E2.pdf

探索的テストとは、「「対象を動かしながら、テスト設計~実行~フィードバックを行っていく(ハイクオリティな妄想のループ)対話型のソフトウェアテスト」だそうです。詳しくは、上記の資料をどうぞ!
仕事でも自己流でやってみていますが、私はテストチャータとタイムボックス決めて、気になるところを重点的に動かしてみる、というやり方をしています。

ワークショップ内容

実際に探索的テストを行う対象のサイトを用意していただき、それを実際に動かしてみました。

  • 初めに一人で手を動かして、気になったところを出してみる
  • グループワークで気になったところと、どうしてその気になった点を出せたかについて報告しあう

このやり方を、テストチャータを変えて2度行いました。

ワークショップからの気づき

気になったところは、人によって出せる数が本当に異なるのが面白かったです。気になるところが出せる数が少ない人には、だいたい2パターンくらいあるのではないでしょうか。

  • 経験、知識があまりなく、「そういうものかな」と思ってしまう人
  • 気になるところを見つけてるけど、「仕様って書いてあるし、指摘していいのかな」と遠慮してしまう人

後者の場合、グループワークをやると「あ、それ、指摘してよかったんだ」という契機をもらえるので、後々、気になるところの検出数が上がる気がします。私は気になったところについて、「仕様」とある場合は、あげるべきかちょっと迷ってしまうので、勇気づけられましたw グループワークで、「どうしてその気になった点を出せたのか」をお互いに話せた点も、他の方から素敵な視点をもらえてよかったです。
前者の場合は、どうすればいいんでしょうね? ペアテストしてみる、とかでレベルアップできるんでしょうか。

感想

JaSST'18 Tokyoで、ちょっと出遅れていったら会場が満員で入れなかったので、再演がとても嬉しかったです! ありがとうございました!