もみじ饅頭とオープンソースのちょっとした共通点

今さらですが、明けました。おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


年末年始は実家のある広島に帰っていました。お好み焼き食べて、牡蠣も食べて、家族とゆっくりして満足です。

もみじ饅頭とオープンソースのちょっとした共通点
さて、広島のお土産といえばもみじ饅頭が有名ですが、ちょっと由来を調べてみると、なんとなくオープンソースに似てるところがあるな、と思ったのでご紹介。


もみじ饅頭の由来には、2つの説があります。


1.旅館の中居さんからの依頼説
宮島の中でも特に景色の綺麗な紅葉谷にある旅館「岩惣」の中居さんが、「紅葉谷に相応しいお菓子をつくってほしい」と出入りの和菓子職人に依頼した。


2.伊藤博文の冗談説
宮島を訪れた際、紅葉谷の旅館「岩惣」のお茶屋で休憩した伊藤博文、お茶を出す茶屋の娘の手を見て「もみじのようなかわいい手じゃの。焼いて食べてしまいたいわ」という冗談をいった。岩惣のおかみがそれを聞いていて、出入りの和菓子職人にもみじの形の菓子製作を依頼した。


上記の2つの由来のどちらにせよ「岩惣」から依頼をうけた和菓子職人・高津常助さんがもみじ饅頭を作ったという点は間違いなさそうです。


この高津さんは一回商標登録を行ったあとは、権利が切れても特に更新しなかったそうです。だからもみじ饅頭の型があれば誰でも作れるようになり、宮島のお土産として広まり、定着していったということなんだとか。


高津さんが商標を持ち続けてたら、今のように広島のお土産といえばもみじ饅頭!とはならなかったと思うんですよね。高津さん的には儲かったかもしれませんが。


こんな由来を持つところが、流行ってるオープンソースの流れと似てるな、と思ったんです。


特定の人が技術を独占しない→色々な人がチャレンジ→その技術が流行る
みたいな感じで。ちょっとこじつけですかね。


オマケ
以前職場の朝礼にて、一言コーナーで話した小話。こちらもITと食べ物のこじつけネタで、けっこうウケのよかった話です。


先日たまたま昭和20年代の料理レシピを見る機会があったのですが、そこには今でも人気のとある料理がのってました。名前は「辛味入り汁かけ飯」。今で言うカレーライスです。

確かに辛いし汁をかけたご飯だし、辛味入り汁かけ飯って中身を正しく表しているわけですが、カレーライスに比べると、あまり美味しそうには聞こえません。料理ってネーミングが重要なんだな、と思いました。


ところで、プログラミングも始めた当初は、 適当な変数名をつけて、先輩から、それじゃ意味がわからないなんて言われていました。ちょっとたって中身を正しく表した変数名をつけられるようになると、正しいけどもうちょっとセンスがほしい、なんて言葉をもらうようになりました。


プログラミングも料理も、中身を正しく表して、さらにセンスもあるネーミングができるようになりたいものですね。

アスペルガー症候群とソフトウェアテスト

このエントリーは、Software Test & Quality Advent Calendar 2011の24日目です。


http://atnd.org/events/22833


前の23日目は@aods1004さんの


開発者がテスト技術を学ぶべき理由」と


@softestさんの


技と術と芸で考えるソフトウェアテスト


でした。


今日はちょっと趣向を変えて、「ソフトウェアテストアスペルガー症候群」という切り口で書いてみたいと思います。なんでもありということなので、こういうのでもいいですよね?


最近は、ソフトウェアテストアスペルガー症候群の人が持つ特性との相性が注目され始め、アスペルガーに限定して採用を行う企業もあるようですね。


アスペルガー症候群とは?】


まずはアスペルガー症候群についてWikipediaから簡単に紹介します。

アスペルガー症候群アスペルガーしょうこうぐん、Asperger syndrome: AS)またはアスペルガー障害(アスペルガーしょうがい)は、社会性・興味・コミュニケーションについて特異性が認められる広汎性発達障害である。
(出典:Wikipedia

この『コミュニケーションについて特異性が認められる』ために、就労という点で苦労する例が多いようです。たとえば、「空気を読む」というのが苦手なので、それは言ってはダメだろうということを言ってしまったり、上司が細かく具体的に指示しないと上司の意図とかなりずれたことをしてしまったりと周囲とうまくコミュニケーションが取れないという事象があげられます。


アスペルガーソフトウェアテスト

一般にアスペルガー症候群の人とITというのは、相性がよいそうです。
それはアスペルガー症候群の人が多く持つ「細部に対するこだわり」や「反復作業との相性の良さ」とIT技術がうまくマッチするから。(個人差がるので一概には言えません)
自らもアスペルガー症候群であることを公表し、アスペルガー症候群に関する執筆や講演を行っているTemple Grandin氏は以下のように言っています。

アスペルガー症候群とITとの間に相関関係はあるのか──。もしアスペルガー症候群というものが存在しなければ、コンピュータは誕生しなかっただろう。“ギークGeek)”や“ナード(Nerd)”とは、要するに軽度のアスペルガー症候群のことだ。アスピーズの関心は、人ではなくモノに向けられている。そしてモノに関心を抱いた人たちが、現在われわれが使用しているコンピュータを作ってくれたのだ」(Grandin氏)

(出典:業界動向/111349/IT業界で闘う“アスピーズ”


また、アスペルガー症候群の人に雇用を通して自身の可能性に気付く道を提供することを使命として設立されたアメリカのNPO団体・AspititechはHPの冒頭で以下のように述べています。

"we harness these individuals' unique abilities  attention to detail, precision, an affinity for repetitive tasks, outstanding technology skills  to provide competitively-priced software testing services."

(私たちは、アスペルガー症候群の特有の能力―細部への拘り、正確さ、反復性のある作業への相性の良さ、目覚ましい技術スキル―を価格競争力のあるソフトウェアテストサービスと結び付けようとしています)


Aspiritechホームページ
http://www.aspiritech.org/


アスペルガー症候群の人を雇用している企業】
・株式会社Kaien(日本)
http://www.kaien-lab.com/


発達障害を持つ人への就労支援サービス、企業向けのコンサルティング発達障害を持つ人にどうしたらうまく働いてもらえるかなど)サービスを行う日本で唯一の会社です。上で触れたAspiritechの設立の際にも協力したそうです。


・Specialisterne(デンマーク
http://specialisterne.com/


OracleMicrosoftなどを顧客に持ち、一年目から黒字経営を達成するなど、アスペルガー症候群の人を多く雇用している企業で世界で最も成功している企業のように思います。(Specialisterne Denmarkの社員の75%がアスペルガー症候群)紹介文では以下のように述べています。

"Specialisterne Denmark, which translates from Danish as “the specialists”, is a social innovation company providing IT consultancy services, where most of the employees are people with autism."

デンマーク語で「スペシャリスト」を意味する「Specialisterne」は、ITコンサルティングサービスを提供する社会的技術革新企業です。社員の多くがアスペルガー症候群です。)


現在、支社がオーストリアアイスランド、スイス、イギリス、アメリカにも拡大している様子。


上にあげた企業はいずれも一つの特徴を持っています。それは創業者のお子さんがアスペルガー症候群を持っているということ。「何とかしてお子さんに社会貢献の道を持ってほしい、それがアスペルガー症候群を持つ人の生き甲斐にもなるはず」という思いから会社を設立されています。
アスペルガー症候群の方にとってはよい雇用の機会になったり、ソフトウェアテスト業界にとっては優れた能力を持つ人を採用できて発展に繋がったりというよいサイクルになれば素敵だな、などと思っています。


【参考サイト】
広がりを見せる自閉症者ソフトウェアテスター育成プログラム
http://developers.slashdot.jp/story/11/10/08/1155232/


アスペルガー症候群の人を 雇用するために ※リンク先はpdfファイルです。
http://www.nivr.jeed.or.jp/download/center/support03.pdf

三笠れぽーと

大河ドラマ坂の上の雲』にワクワクしたので、
以前別の場所に書いた「三笠れぽーと」を再編集してアップします。


ドラマでやってたとおり
「三笠」というのは日露戦争当時の日本海軍の旗艦です


司令官とか偉い人が乗ってるやつですね。
横須賀に保存されており、一般公開されています。

とりあえず三笠の周りをうろうろして写真を撮り、いざ乗船。
マストを見上げるとZ旗が掲げてあって
思わずにやりとしちゃいました。
#写真では分かりにくいのですが…。

Z旗には
「皇国興廃在此一戦(皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ)
 各員一層奮励努力(各員一層奮励努力セヨ)」

という意味がこめられています。
負けたらロシアの植民地になりかねませんからね。


上部の甲板を見ていたところで、
艦内放送で映画上映のお知らせが入り講堂へ。


150人くらい入れそうなけっこう広めの講堂で
海ゆかば」という短編映画を見てきました。
日本海海戦の主要なところだけダイジェストで見せてくれるので
なかなかおすすめです。
面白かったですよ。


さて艦内見学に戻り
艦の左右にある副砲なんかを見て回ります。
写真はたしか8サンチ砲だったかな?

左右と上下に動かすことができます。
もちろん動かしてみましたが、
けっこう重くて、左右は動かせましたが
上下はほとんど動かせませんでした。
これ使って1時間とか2時間とか戦闘するのは相当体力消耗すると思います。


艦尾から艦首の方へ移動すると
司令台らしいものがあります。
ここでは海戦当時の主要人物の立ち位置が見られるのですね。

まずは「坂の上の雲」の主人公・秋山実之です。
愛媛出身の天才参謀。
日本海海戦の作戦はほとんどこの人が立てたといわれるほど
頭がよかったそうです。


海軍兵学校を主席で卒業し、
兵学校時代のあだ名が「試験の神様」だったとか。

一応全体像も載せてみるとこんな感じ。
東郷平八郎は司令官なので前の見やすいところにいるんですかね。
艦長・伊地知彦次郎が真ん中あたり、
参謀長・加藤友三郎がその隣ですね。


加藤友三郎は我が実家のある広島の出身です。
広島出身者さえほとんど知らないけど、
後に総理にもなるかなりの大物なんですよ。


さて甲板に上がると、三笠からは猿島という島が見えます。

明治時代の要塞後が残ってて見に行きたかったんだけど
この時は時間なくて断念しました。
そのうちまた行くつもりです。

で、気を取り直して船内を見て回ります。
大砲の発射室はマネキンで当時の様子が再現してありなかなかよかったです。

発射室って職場であるとともに生活の場でもあったのですね。
別の部屋にはハンモックが吊り下げられて、
ここで生活してたんだ〜と妙に感心しました。

だってお世辞にもいい生活環境とはいえません。
ひ弱な現代っこには無理ですわ。


さて一般兵士はけっこう劣悪な感じですが、下士官は個室があります。
狭いけどけっこう整った感じでしたよ。
(残念ながら電池切れで写真が取れませんでした)


坂の上の雲」で
秋山真之が靴はいたまま作戦ず〜っと考えてたのはこんなところか〜とちょっとにやにやしました。


あとは東郷平八郎のいた部屋は豪華だったり、
上の階級の人専用の階段があったりしたのが印象的でした。
一時間くらいで見終わるかな〜と思っていたのが
がっつり2時間見学しちゃってました。
また行きたいなあ。


ちなみにこの日の夕ご飯は「よこすか海軍カレー」でした

魚藍亭というところで頂いてきましたよ〜。
ちょっとさらさらめのルーが美味でした。


お店ごとに色々特徴あるらしいんで、
また別のお店のカレーも食べてみたいです
横須賀はそのうち再訪します!


それでは。

UWSC、ウチのプロジェクトではこう使ってます

このエントリーは、Software Test & Quality Advent Calendar 2011の12日目です。

http://atnd.org/events/22833

前の11日目は@akai__tsuki さんの

TestLinkことはじめ」でした。
http://d.hatena.ne.jp/acro-engineer/20111211/1323615913

今日の内容は、ウチのプロジェクトで使ってるUWSCのご紹介です。

UWSCについて】
UWSCについてはこちらのサイトからどうぞ。
「ダウンロード」から入手できます。

UWSC
http://www.uwsc.info/index.html

シェアウェア版とフリー版がありますが、フリーの方でかなりの機能が使えます。

ダウンロードして、zipを解凍し
UWSC.exeを叩くと、すぐに使えます!

「カメラ」のボタンをクリック後に行った操作を自動で記録してくれます。

UWSCに付属しているHelpやUWSCサイトのFAQが充実しているので
詳しい操作はそちらでご確認を。

ダウンロード時には記録のレベルが「低」に設定されています。
このモードはマウスの動き、キー操作などをそのまま入力します。

「設定」ボタン→「設定」より
「設定」画面を呼び出すと、ここでレベル「高」に設定
を変更できます。
使うのはだいたいこちら。

Seleniumとの比較】

フリーの自動テストツールだとSeleniumも有名ですね。
Seleniumと比較した際のUWSCの強みはこちら。

強み
・web系のシステム以外でも使える
(個人的には、web系であればSeleniumの方が便利だと思います)

・マウス位置を記憶する機能との併用ができる(低レベルでの記録を使用)
→テスト対象が画像エディタのような機能を持っていると便利です。
エディタ上に選択したアイコンを置く、なんて動作が可能になります。


弱み
Seleniumのassert、verifyにあたる処理がない
→画面遷移後、本当に目的の画面が表示されているかは目視確認が必要です。

・入力などで実行できない処理があると止まる
Seleniumはassert文やよほど致命的な処理ではない限り、
最後までテストを実行してくれますが、
UWSCは実行できない処理が出るとそこから先に進みません。


※あくまで私が使ってみての感想なので、間違いなどがあれば教えてください。



テスト対象によってSeleniumUWSCを使い分けるとよいと思います。

UWSC利用方法】
プロジェクトでは以下の方法でUWSCを利用していました。

1. UWSCのテストケースを作成する
ここでは電卓で単純な足し算をしてます。

01_Addition.UWS

プロジェクトだと「テキストボックスに文字列を入力する」とか
「xxボタンをクリックする」くらいの粒度で1テストケースで作ってました。

2.作成したテストケースを繋いでテストシナリオを作成する
ここではCalc.batというbatファイルの形でシナリオにしました。
四則演算で1セットです。

Calc.bat

今回のように実行するUWSファイルの数が少なければ、
UWSCのスケジューラにセットして実行してもOKです。


UWSファイル内部で別のUWSファイルを呼び出せるので、
テストシナリオ用UWSファイルを作成することもできます。

3.(夜間にシナリオを流す場合は) タスクスケジューラをセットする
batを複数実行する場合などは、タスクスケジューラを設定していました。
夜間に自動で試験を実施しておけば、
朝来て行うのは実行結果のキャプチャを確認するだけです。
と、こんなやり方で使ってました。
もっといい使い方やツッコミがあったら、
コメント等でお知らせください。


明日は、@goyoki さんです。


それでは。

私的フィンランドのイメージあれこれ

日付的にはすでに昨日ですが、フィンランド独立記念日でしたね。
おめでとうございます!

Google Finlandのトップが独立記念日仕様でかわいかった。

マウスオーバーで出てくる言葉はフィンランド語で
フィンランド独立記念日」を意味する言葉だそうです。



フィンランドは友人が留学してたり、好きなバンドの出身地だったりで
個人的に親近感のある国です。


IT業界的には、
Linux創始者Linus Torvalds氏を生んだ土地であり、
ケータイ世界最大手のNokiaのお膝元ですな。


Nokiaお膝元なのにケータイ投げ世界選手権もあったりして
結構フリーダムなイメージもあります。
教育に力入れてるから発想が自由なのかしら?


フィンランド関係で昔見つけて面白かったのがこちら。
Helsinki Complaints Choir

みんなの不平・不満を集めて歌詞にして
歌い飛ばしちゃおうぜ!というプロジェクト。
よくこんなこと思いつきますね!
発想が素敵♪


歌詞は、


「素敵なシャツは洗濯でダメにしちゃうのに、
 それほどでもないやつって絶対そうはならないのよね」


などのあるあるネタから


「派遣会社はJavaプログラマーばかり雇う」
「仕事は中国にとられちゃう」


などの切実な内容まで。
後者はけっこう日本でも切実な気がします。


切実な問題はともかく
素敵な発想の多いフィンランドにぜひ一度行ってみたいな。


それでは。